FigmaがUI設計のメインツールとして普及した記事執筆時点でも、Photoshopは画像編集やバナー制作の分野ではまだまだ現役です。写真のレタッチ、背景の切り抜き、バナーの量産など、Photoshopでなければ効率的に処理できない作業は数多く存在します。
WebデザイナーがPhotoshopを使いこなせるかどうかは、対応できる案件の幅に直結します。クライアントから「この写真の背景を切り抜いてほしい」「バナーを10種類作ってほしい」と依頼された時に、Photoshopが使えなければ対応できません。
この記事では、Webデザインの実務で必要なPhotoshopの基本テクニックを、優先度の高いものから順に解説します。Figmaとの使い分けについても触れていますので、ツール選びの参考にしてください。

WebデザインでPhotoshopを使う場面
画像のレタッチ・加工
写真の色補正、不要物の除去、背景の切り抜きなど、画像加工はPhotoshopの独壇場です。Web用の素材を準備する際に頻繁に使う作業であり、Webデザイナーにとって最も活用頻度の高い用途と言えます。
記事執筆時点では、AIを活用した「生成塗りつぶし」機能が搭載されており、背景の拡張や不要物の除去が以前よりも格段に手軽になっています。テクノロジーの進化によってPhotoshopの作業効率は年々向上しています。
バナー・サムネイル制作
広告バナーやSNS用のサムネイルは、Photoshopのレイヤー機能やブレンドモードを活用すると効率的に制作できます。テンプレートを作成しておけば、テキストや画像を差し替えるだけで量産が可能です。
バナー制作は単価は低いものの案件数が多いジャンルです。Photoshopで効率的に量産できるスキルがあると、安定した収入源になり得ます。
画像の書き出し・最適化
Webで使う画像は軽量化が必須です。Photoshopの「Web用に保存」機能を使えば、品質とファイルサイズのバランスを視覚的に確認しながら最適化できます。

覚えておくべき基本操作
レイヤー管理
レイヤーはPhotoshopの核となる概念です。要素をレイヤーに分けて管理することで、非破壊的な編集が可能になります。レイヤーの命名とグループ化の習慣をつけることが、効率的な作業の第一歩です。
レイヤーに名前をつけずに作業を進めると、要素が増えるにつれて「どのレイヤーが何なのか」がわからなくなります。「Header_bg」「CTA_button」「Section2_text」のように、わかりやすい命名ルールを決めておきましょう。
- レイヤーには必ず名前をつける
- 関連するレイヤーはグループ化してまとめる
- 不要なレイヤーは削除するか非表示にして整理する
- 調整レイヤーやスマートオブジェクトで非破壊編集を心がける
選択ツール
被写体の選択、色域指定、パスによる選択など、用途に応じて適切な選択ツールを使い分けられるようになると、作業効率が格段に上がります。
| 選択ツール | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 被写体を選択(AI) | AIが自動で被写体を検出 | 人物の切り抜き |
| クイック選択ツール | ブラシでなぞって選択範囲を指定 | 比較的はっきりした輪郭の選択 |
| 色域指定 | 特定の色を一括選択 | 背景色が均一な画像の切り抜き |
| ペンツール(パス) | 手動で精密な選択範囲を作成 | 複雑な形状の正確な切り抜き |
記事執筆時点では、AIを活用した「被写体を選択」機能の精度がかなり高くなっています。人物の髪の毛のような複雑な輪郭も、ワンクリックでかなり正確に選択できます。
調整レイヤー
明るさ・コントラスト、色相・彩度、トーンカーブなどの色補正を行う際は、元の画像を直接編集せずに調整レイヤーで非破壊的に補正するのがプロの流儀です。いつでも元の状態に戻せるため、試行錯誤がしやすくなります。

Web用の画像形式の使い分け
Webサイトで使う画像は、用途に応じて最適な形式を選ぶ必要があります。
| 形式 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| JPEG | 写真向き。ファイルサイズを抑えつつ、そこそこの画質を維持 | 写真全般 |
| PNG | 透過に対応。画質の劣化がない | ロゴ、透過が必要な画像 |
| WebP | JPEGとPNGの良いとこ取り。軽量で高画質 | 記事執筆時点の主流。写真にも透過画像にも対応 |
| SVG | ベクター画像。拡大しても劣化しない | アイコン、ロゴ |
記事執筆時点ではWebPが主流になりつつあります。主要ブラウザのほとんどが対応しており、JPEGやPNGと比較してファイルサイズを25〜35%程度削減できるのが大きなメリットです。
画像形式の選択を間違えると、不必要にページが重くなったり、画質が劣化したりします。「写真はWebPかJPEG」「透過が必要ならWebPかPNG」「アイコンはSVG」というルールを基本にしましょう。
Photoshop vs Figma:使い分けのコツ
記事執筆時点でのスタンダードな使い分けは、UIデザインやWebサイト全体のデザインはFigma、画像加工やバナー制作はPhotoshopです。
両方使えるのがベストですが、これからWebデザインを学び始める方は、Figmaを先に習得するのが効率的です。Figmaで全体のデザインを組み、必要に応じてPhotoshopで画像素材を加工するという流れが現在の主流なワークフローです。
参考:Google WebP
よくある質問(Q&A)
Q. Photoshopの料金はいくらですか?
A. Photoshop単体で月額2,728円(税込)、フォトプラン(PhotoshopとLightroomのセット)で月額1,078円(税込)から利用可能です。フォトプランはコストパフォーマンスが高いので、まずはこちらから始めるのがおすすめです。
Q. 無料で使えるPhotoshopの代替ツールはありますか?
A. GIMPが無料の画像編集ツールとして有名です。基本的な画像加工は可能ですが、Photoshopほどの機能の充実度やAI機能はありません。学習用であれば十分に活用できます。
Q. PhotoshopとIllustratorの違いは何ですか?
A. Photoshopはピクセル(ビットマップ)ベースの画像編集ツール、Illustratorはベクターベースのグラフィックツールです。写真の加工やバナー制作はPhotoshop、ロゴやアイコン制作はIllustratorという使い分けが基本です。
Q. Photoshopの学習にどのくらいかかりますか?
A. Webデザインで使う基本操作(レイヤー管理・選択ツール・調整レイヤー・書き出し)に限れば、2〜4週間が目安です。Adobe公式のチュートリアルが体系的でわかりやすいので、まずはここから始めるのが効率的です。
まとめ:Photoshopは画像編集・バナー制作でまだまだ必須のツール
- 画像のレタッチ・加工・切り抜きはPhotoshopが最強
- バナー・サムネイル制作はテンプレート化で量産効率を上げる
- 覚えるべき基本操作はレイヤー管理・選択ツール・調整レイヤーの3つ
- Web用画像はWebP形式が主流に。用途に応じて形式を選択
- UIデザインはFigma、画像加工はPhotoshopという使い分けが標準
PhotoshopはWebデザイナーにとって、画像周りの作業を支える重要なツールです。Figmaとの使い分けを意識しながら、両方のツールを使いこなせるデザイナーを目指しましょう。まずはレイヤー管理と選択ツールから練習を始めてみてください。


