「Webデザイナーになりたいけど、未経験からでも転職できるのか不安」という方は少なくありません。結論から言うと、未経験からWebデザイナーへの転職は可能です。ただし、「未経験OK」の求人に応募するだけでは不十分で、事前準備の質が合否を分けます。
企業が「未経験OK」と書いている場合、それは「Webデザイナーとしての実務経験がなくてもOK」という意味であり、「Webデザインの知識がゼロでもOK」という意味ではありません。最低限のスキルと、それを証明するポートフォリオは必須です。
この記事では、未経験からWebデザイナーに転職するための具体的なステップを、スキル習得から求人への応募、面接対策まで一貫して解説します。

Webデザイナーに必要なスキルセット
デザインスキル
Webデザイナーに求められるデザインスキルは、芸術的なセンスではなく、論理的にデザインを組み立てる力です。具体的には以下の知識・スキルが必要です。
- デザインの4大原則(近接・整列・反復・コントラスト)の理解と実践
- 配色理論の基礎(ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの使い分け)
- タイポグラフィの基礎(フォント選び、行間・文字間の調整)
- レイアウトの考え方(余白、グリッドシステム、視線誘導)
ツールスキル
現在のWebデザインの現場で使われる主なツールは以下の通りです。
- Figma:UIデザインの主流ツール。Web制作会社のほとんどが採用している
- Adobe Photoshop:画像加工やバナー制作に使用。写真のレタッチにも必要
- Adobe Illustrator:ロゴやアイコンなどのベクターグラフィックの制作に使用
すべてを完璧にする必要はありませんが、Figmaは必須、Photoshopは使えるレベルであることが望ましいです。
コーディングスキル
「デザインだけやりたい」という方もいますが、HTML/CSSの基礎知識は求められるケースが大半です。デザインの制約(CSSで実現可能かどうか)を理解した上でデザインできるデザイナーは、エンジニアとの協業がスムーズに進むため、現場で重宝されます。
- HTML/CSS:必須。レスポンシブデザインまで実装できるレベルが理想
- JavaScript:基礎レベルがあると望ましい。jQueryの簡単な操作ができれば十分
- WordPress:基本的な操作ができると求人の幅が広がる

転職までのロードマップ
ステップ1:基礎スキルの習得(3〜6か月)
まずはデザインの基礎理論、Figmaの操作、HTML/CSSのコーディングを学びます。独学で進める場合は書籍やオンライン学習サイトを活用し、効率を優先するならスクールも検討してください。
学習時間の目安は、仕事をしながらの場合で月40時間以上です。平日1時間+週末にまとまった時間を取るイメージで計画すると現実的です。
ステップ2:作品制作(1〜2か月)
基礎を学んだら、ポートフォリオに載せるための作品を制作します。最低3点の作品を制作し、それぞれに「なぜこのデザインにしたのか」の説明を添えましょう。
作品のバリエーションも意識します。企業サイト、LP、バナーなど、異なる種類の制作物を用意することで、スキルの幅をアピールできます。
ステップ3:ポートフォリオサイトの構築(2週間〜1か月)
制作した作品をまとめたポートフォリオサイトを構築します。HTML/CSSで自作するのが最もアピール力が高いですが、時間がない場合はWordPressやポートフォリオサービスの活用も検討しましょう。
ステップ4:求人への応募と面接(1〜3か月)
ポートフォリオが完成したら、いよいよ応募フェーズです。求人の探し方と面接対策について、以下のセクションで詳しく解説します。
求人の探し方
Web系に強い転職エージェント
未経験からWebデザイナーを目指す場合、Web・IT系に特化した転職エージェントの活用が効率的です。
- マイナビクリエイター:Web・ゲーム業界に特化。ポートフォリオの添削サービスもある
- Geekly:IT・Web業界専門のエージェント。非公開求人が多い
- doda:総合型だがWeb系の求人も豊富。未経験歓迎の求人が探しやすい
求人サイト・クリエイティブ特化型
一般的な求人サイトのほか、クリエイティブ職に特化したサイトも活用しましょう。
- MOREWORKS:Web制作会社の求人に特化。ポートフォリオの公開機能も備えている
- Green:IT・Web系スタートアップの求人が多い。カジュアル面談から始められる
- Wantedly:企業のビジョンに共感した採用マッチングが特徴。未経験者向けのインターンも掲載されている
「未経験OK」求人の見極め方
「未経験OK」と記載されている求人でも、内容は様々です。以下のポイントで見極めましょう。
- 研修制度やOJTの有無が明記されているか
- 具体的な業務内容が記載されているか
- 「Webデザイン以外の業務」(営業、テレアポなど)が含まれていないか
- 給与が相場から大きく外れていないか
「未経験者歓迎」で大量採用している企業の中には、実態がWebデザインとは異なる業務(営業やテスターなど)であるケースもあります。求人票の業務内容をよく確認し、面接時にも具体的な業務内容を質問しましょう。口コミサイトで企業の評判を調べることも有効です。
面接で聞かれることと対策
よく聞かれる質問
- 「なぜWebデザイナーになりたいのですか?」:動機の明確さを見ている。「デザインが好き」だけでなく、Web業界やデザインの可能性に対する考えも述べる
- 「ポートフォリオの作品について説明してください」:制作の意図や工夫した点を論理的に説明する。デザインの根拠を聞かれた際に答えられるよう準備する
- 「前職の経験をどう活かせますか?」:異業種からの転職でも、コミュニケーション力、プロジェクト管理能力、クライアント対応力などは活かせるポイントになる
- 「独学で何を学びましたか?」:具体的な学習内容と成果物を提示する。学習の過程で苦労した点とその解決方法も伝えると、問題解決力のアピールになる

転職活動で差がつくポイント
前職の経験を強みに変える
異業種からの転職は不利に見えがちですが、前職のスキルを「Webデザインにどう活かせるか」という視点で語れると大きな強みになります。例えば、営業職なら「クライアントのニーズをヒアリングする力」、事務職なら「正確で効率的な作業を行う力」がWebデザインの仕事にも直結します。
実務に近い経験を積んでおく
クラウドソーシングでバナー制作やLP制作の小さな案件を受注した経験があると、「実務経験」としてアピールできます。報酬額は小さくても、クライアントとのやり取りを経験していること自体が評価されます。
継続的な学習姿勢を見せる
WebデザインはトレンドやTechnicalな技術が常に変化する分野です。学習を続けている姿勢(SNSでの発信、ブログでの学習記録など)を面接で示すと、「入社後も成長し続ける人材」という印象を与えられます。
年代別の転職戦略
20代の転職
20代はポテンシャル採用の可能性が最も高い年代です。スキルが発展途上でも、学習意欲と成長速度をアピールすれば採用される確率が高くなります。未経験からの転職に最も有利な年代と言えます。
30代の転職
30代はポテンシャルだけでは厳しく、即戦力に近いスキルレベルが求められます。ポートフォリオの質を高め、前職の経験を掛け合わせた独自の強みをアピールすることが重要です。マイナビエージェントなどのエージェントを活用して、自分に合った求人を紹介してもらうのが効率的です。
40代以降の転職
40代以降の未経験転職はハードルが高いですが、不可能ではありません。フリーランスとして小さな実績を積みながら、制作会社のパートナーとして関わるルートや、副業としてWebデザインに取り組み、徐々にメインの仕事に移行していくアプローチが現実的です。
よくある質問(Q&A)
Q:Webデザイナーの年収はどのくらいですか?
A:未経験から入社した場合、初年度は年収300〜350万円が相場です。経験を積んで2〜3年目になると400〜500万円、リードデザイナーやマネージャーに昇格すれば500〜700万円程度が一般的です。フリーランスの場合は案件次第で大きく変動しますが、スキルと実績があれば会社員以上の収入も可能です。
Q:資格は必要ですか?
A:Webデザイナーになるために必須の資格はありません。企業はポートフォリオの作品とスキルで判断するため、資格よりも実際の制作物の方が評価されます。ただし、「ウェブデザイン技能検定」や「色彩検定」などを取得していれば、学習意欲の証明にはなります。
Q:スクールに通った方がいいですか?
A:独学でもスキルは身につきますが、スクールには「カリキュラムが体系的」「質問できる環境がある」「転職サポートが受けられる」というメリットがあります。独学で行き詰まっている場合や、短期間で効率よくスキルを身につけたい場合は、スクールの利用を検討する価値があります。
Q:未経験で応募して何社くらいで内定がもらえますか?
A:個人差が大きいため一概には言えませんが、未経験からの転職の場合、10〜20社に応募して1〜3社から内定をもらうのが平均的なイメージです。書類選考の通過率を上げるためには、ポートフォリオの質を高めることが最も効果的です。
Q:在職中と退職後、どちらで転職活動をすべきですか?
A:可能であれば在職中に転職活動を進めるのがおすすめです。退職後は金銭的な焦りから妥協した転職先を選んでしまうリスクがあります。在職中なら「内定が出なければ現職を続ける」という選択肢を残したまま、余裕を持って活動できます。
まとめ
未経験からWebデザイナーへの転職は、正しい準備を行えば十分に実現可能です。スキル習得 → 作品制作 → ポートフォリオ構築 → 応募というステップを着実に進め、ポートフォリオの質で勝負することが成功の鍵となります。
前職の経験も「掛け算」で活かせるため、異業種からの転職であっても臆することはありません。まずは基礎スキルの学習から始めて、半年後の転職を目標に行動してみてください。


