ノーコードでWebサイトを作れるサービスとして、制作の現場でも名前を聞くようになったSTUDIO。ただ、実際に導入を検討し始めると「デザインの自由度が高い」という声と「思ったより難しい」という声が同時に出てきて、判断に迷う方も多いはずです。
STUDIOの口コミが分かれる最大の理由は、デザインツールに近い操作感を持つサービスだからです。感覚的に触れる簡易ツールを想像して始めると、最初の数時間でつまずきます。
この記事では、STUDIOの口コミで挙がりやすい良い点と厳しい点を整理し、どんな人・どんな案件に向いているのかを解説します。料金の考え方や、始める前に知っておきたい制約もまとめました。

STUDIOはどんなサービスか
コードを書かずにサイトを設計して公開できる
STUDIOは、ブラウザ上でWebサイトをデザインし、そのまま公開できる国産のサービスです。デザインしたものがそのままサイトになるため、デザインデータを渡してコーディングを依頼する工程が省けます。
ブログやお知らせを更新するためのCMS機能も備わっており、記事の追加や更新を管理画面から行えます。詳細な仕様はSTUDIO公式サイトで確認できます。
料金プランの構成
記事執筆時点の公式の料金ページによると、無料のFreeプランに加えて、個人向けにMiniとPersonal、ビジネス向けにBusiness、Business Plus、Enterpriseが用意されています。
| プラン | 年払い時の月額 | 月払い時の月額 |
|---|---|---|
| Free | 0円 | 0円 |
| Mini | 590円 | 1,290円 |
| Personal | 1,190円 | 1,720円 |
| Business | 3,980円 | 5,460円 |
| Business Plus | 9,980円 | 12,900円 |
| Enterprise | 問い合わせ | |
Freeプランでは、ページ数50・CMSモデル3・CMS公開アイテム100・月間訪問者数2,000といった範囲で利用できます。独自ドメインの接続とSTUDIOバナーの非表示は、Mini以上の有料プランで対応しています。料金も各プランの上限値も改定されることがあるため、契約前に公式ページで最新の内容を確認してください。
STUDIOの良い評判で語られること
1. デザインツールに近い操作感
もっとも多く挙がるのがこの点です。Figmaのようなデザインツールを使ったことがある人であれば、操作の考え方がそのまま通用します。
デザインデータを作り直すことなく、そのまま公開まで持っていけるため、デザインとコーディングの間で起きがちな「再現できない」問題が起こりにくくなります。
2. レスポンシブ対応がやりやすい
パソコン用に作ったレイアウトを、タブレット用・スマートフォン用にブレイクポイントごとに調整できます。別々のデータを用意する必要がなく、同じ画面内で切り替えながら整えられる点が評価されています。
ブレイクポイントごとの調整では、要素がどう並び替わるかというCSSの考え方を知っていると迷いが減ります。HTMLとCSSの基本を扱った本を1冊手元に置いておくと安心です。
3. 公開までが速い
デザインが完成したら、公開ボタンを押してサブドメインを設定するだけで公開できます。サーバーの契約もファイルのアップロードも不要で、修正した内容も即座に反映されます。
キャンペーンのランディングページのように、スピードが求められる案件では大きな武器になります。
4. 日本語で完結する
国産サービスであるため、管理画面もヘルプもサポートも日本語です。海外製のツールで英語のドキュメントを読み解く負担がないのは、実務では地味に効いてきます。困ったときはSTUDIOのヘルプセンターで日本語の解説を確認できます。
まずはFreeプランで1サイト作り切ってみるのがおすすめです。50ページまで作れるため、小規模なサイトであれば無料の範囲で完成度を確かめられます。

STUDIOの厳しい評判で語られること
1. ボックスの考え方でつまずく
STUDIOで最初の壁になるのが、ボックスを積み重ねてレイアウトを組む仕組みです。箱の中に箱を入れ、余白と並び方を指定していく考え方は、CSSの構造そのものに近いものがあります。
Webサイトの構造を理解していないと、思った位置に要素を置けずに手が止まります。「ノーコードだから知識は不要」と考えて始めると、この時点で挫折しやすくなります。
2. テンプレートの選択肢が限られる
用意されているテンプレートの数は、大手のホームページ作成サービスと比べると多くはありません。テンプレートを選んで文字を差し替えるだけで完成させたい、という使い方には向いていない面があります。
3. 標準では持っていない機能がある
本格的なEC機能、会員登録やログイン、複雑な決済といった仕組みは標準では備わっていません。外部サービスと連携する形で補うことになりますが、実現できる範囲には限りがあります。
通販サイトや会員制サービスを作りたい場合は、最初から別の選択肢を検討する方が回り道になりません。
4. 表示速度に気を配る必要がある
作り方によっては、ページの読み込みが重くなることがあります。画像を適切なサイズに圧縮する、不要な要素を減らすといった配慮は、ツールに関係なく必要です。
5. プレビューと公開後で差が出ることがある
編集画面での見え方と、実際に公開したページの挙動が完全に一致しないケースが報告されています。公開後にブラウザで確認し、スマートフォンの実機でも動作を見ておきましょう。
6. 他の環境へ移行できない
STUDIOで作ったサイトは、そのまま別のサービスやサーバーへ移すことができません。将来的にサイトを別環境で運用する可能性があるなら、この点は事前に理解しておく必要があります。
クライアントワークで使う場合は、サービスに依存する構造になることを納品前に説明しておきましょう。後から「別のサーバーに移したい」と言われて対応できないと、信頼問題に発展します。
向いている案件・向いていない案件
| 案件のタイプ | 相性 | 理由 |
|---|---|---|
| コーポレートサイト(小〜中規模) | 良い | デザイン性と更新性のバランスが取れる |
| ランディングページ | 良い | 公開と修正が速い |
| ポートフォリオサイト | 良い | 表現の自由度が高い |
| 採用サイト | 良い | CMSで募集情報を更新できる |
| 本格的な通販サイト | 要検討 | EC機能が標準では不足 |
| 会員制サービス | 要検討 | ログイン機能が標準では非搭載 |
| 記事数の多いメディア | 要検討 | 大量の記事運用には工夫が必要 |
口コミを読むときに気をつけたいこと
投稿された時期を確認する
STUDIOは機能追加と料金改定が続いているサービスです。数年前の記事に書かれている「この機能がない」という指摘が、今では解消されていることもあります。口コミを読むときは、投稿された時期と当時のプラン構成を確認するのが基本です。
特に料金については、以前の3プラン構成を前提に書かれた記事がまだ多く残っています。金額を判断材料にするなら、公式の料金ページで現在の内容を確かめてください。
書き手の立場を見る
制作会社が書いた記事は、受注につなげる目的があるため「自分で作るのは大変」という結論に寄りやすくなります。逆に、ツールの解説を仕事にしている人の記事は、良い面が強調されがちです。
どちらが正しいという話ではなく、読み手である自分の状況に当てはめて判断する必要があるということです。予算、期限、社内に触れる人がいるかどうかで、同じ機能の評価は変わります。
作ろうとしているサイトの規模で判断する
10ページ程度のコーポレートサイトを作りたい人と、数百ページのメディアを運営したい人では、必要な条件がまったく違います。厳しい口コミの多くは規模の大きい運用を前提にしているため、小規模なサイトを作る人には当てはまらない場合があります。
これから学ぶ人が知っておきたいこと
デザインの基礎はツールでは代替できない
STUDIOはデザインを形にする道具であって、デザインを考えてくれるわけではありません。余白の取り方、文字の大小、配色の判断ができないままでは、どのツールを使っても仕上がりは変わりません。
『ノンデザイナーズ・デザインブック』のような基礎書を1冊読んでおくと、ボックスの構造を触るときの判断が変わります。レイアウトの引き出しを増やしたいなら『あるあるデザイン』のような事例集も役立ちます。
作業環境が効率を左右する
ブラウザ上で編集する仕組みのため、画面が狭いと編集パネルとプレビューの切り替えに手間がかかります。ノートパソコン1台だけで作業していると、参考サイトを見ながら作れずに時間を取られるという声はよく聞きます。
27インチのWQHDモニターを1枚追加するだけでも、参考資料を横に並べながら作業できるようになります。色を扱う頻度が高いなら、EIZOの「ColorEdge」シリーズのようなカラーマネジメント対応モニターも選択肢です。
まず1サイト作り切る
解説記事を読み込むより、小さくても1サイトを最後まで作る方が理解は進みます。Freeプランで自分のポートフォリオサイトを作ってみると、機能の範囲も操作の癖も一通り把握できます。

よくある質問
Q. STUDIOはプログラミングの知識がなくても使えますか?
コードを書く必要はありません。ただし、余白や並び方といったレイアウトの考え方を理解していないと操作に苦労します。HTMLとCSSの基本的な仕組みを知っていると、習得はかなり早くなります。
Q. 無料プランのままサイトを公開できますか?
公開できます。ただしSTUDIOのサブドメインでの公開になり、STUDIOのバナーが表示されます。独自ドメインを使いたい場合やバナーを消したい場合は、Mini以上の有料プランが必要です。
Q. WordPressと比べてどうですか?
デザインの自由度と公開までの速さではSTUDIOが扱いやすく、拡張性や記事の大量運用ではWordPressに分があります。サイトの目的と、将来的にどこまで大きくするかで選び分けるのが現実的です。
Q. 制作の仕事に使えますか?
使えます。実際に制作会社が案件で採用している例もあります。ただし、サービスに依存する構造になる点と、標準機能の範囲は事前に共有しておく必要があります。
Q. 学習にはどれくらい時間がかかりますか?
デザインツールの経験がある方なら数日で基本操作に慣れます。まったく初めての場合は、レイアウトの考え方から学ぶ必要があるため、数週間かけて1サイト作り上げるくらいの見積もりが現実的です。
まとめ
STUDIOの口コミを整理すると、良い評価は「デザインツールに近い操作感」「レスポンシブ対応のしやすさ」「公開の速さ」「日本語で完結する安心感」に集まります。厳しい評価は「ボックスの学習コスト」「テンプレートの少なさ」「EC・会員機能の不足」「他環境へ移行できない」に集中しています。
デザインを自分で組み立てたい人には強い味方になり、テンプレートを埋めるだけで済ませたい人には重く感じる。これがSTUDIOの性格です。
幸い、Freeプランで小規模なサイトなら最後まで作れます。口コミを読み比べて悩むより、実際に1サイト作ってみるほうが、判断材料としては役に立ちます。



